1. 待合ロビー
  2. はみだし派院長の『言いたい放題』
  3. 「連れ合い」の記載

「連れ合い」の記載

私は太平洋戦争の戦時中に生まれた。物心ついた頃は物資の少ないなか国中が生きる伸びることに必死になっていた時代である。
記憶には残っていないが麦飯にサナギ粉をふりかけにして食べさせられたと聞いた。5才時に父親が母の郷里である大阪での開業を勧められ転居してきたが、その頃から日本は右肩上がりの復興を遂げるわけである。

さて、小学生の頃から国語は得意科目。だからというわけでもなかろうが作文は好きだったし、今も変わらない。小説を書きたいと思ったこともあるが、適材ではないと悟りコラムが書ければよしとなった。作文の中で女性の連れ合いを何と記すかは完全に私流に解釈して使用していた。「妻」なんて堅苦しいのは自由作文には相応しくない。ましてや「奥さん」なんて気恥ずかしい。「家内」と謙遜して(誰のことや)書くか。でも頭上がらんし。「カーちゃん」はプライドに障るし、そうだ「カミさん」にしよう。

石井寛主演のほのぼのとしたドラマ「カミさんと私」がなぜか宇野重吉と重なるのだ。そうだ宇野重吉流にしよう。というわけで「カミさん」を多用することに。ところが先日、某誌に載っていた松任谷正隆氏のエッセイが目にとまった。彼が寄稿した文中の「家内」が女性を内に押し込める印象があるのでダメ。じゃあ「奥さん」は?奥に閉じ込めているのでダメ。結局「妻」なら問題なしということになったそうだ。

で、私の今後だが、堅い文には「妻」、砕けた文には「カミさん」でいこう。「カミさん」なら「女将さん」「山の神」?? まあ蔑視にはならんだろう。

待合いロビーに戻る

ページの先頭に戻る